あまぎゃらす

だらだらしたいけど必要に迫られたら本気出す

一人暮らしの40代を減らせば日本の諸問題が解決するかのように話す記事の誤りについて

「ひとり暮らしの40代が日本を滅ぼす」NHKが作ったAIの分析が冷たすぎるという記事を読みました。話題の運び方がおかしいなと感じたのでこの記事について書きます。

記事の概要

大量のデータを投入してAIで分析した結果、日本の諸問題と関係が深い要因の一つは「40代の一人暮らし」である、ということがわかったそうです。そこで、一人暮らしの40代を減らすためにはどうしたらよいか議論しつつ、社会問題をAIとともに分析するという記事なのです。

私が感じた問題:因果関係の取り違え

AIが示すのは『Aが増えると、Bも増える傾向にある』といったパターンのみで、因果関係があるかどうかまでは教えてくれません。ですから、その読み解きは、私たち人間がする必要が出てきます 同記事

「因果関係はわからない」とはっきり書いておきながら、

40代ひとり暮らしを合理的に減らす「秘策」 同記事

という見出しをつけて、40代の一人暮らしを減らせば日本が良くなるかのような書き方をしている点に問題を感じました。

40代の一人暮らしは原因なのか結果なのか

40代の一人暮らしが原因となって日本の諸問題がおこるのであれば確かに解決すべきでしょう。しかし、因果関係があるかどうかはわからないと記事内で説明されています。つまり、40代の一人暮らしを減らしても日本の諸問題が解決するとは限らないということです。

40代といえば就職氷河期の世代であり、雇用条件が他世代とは相対的に低く、結婚したくてもできない人が多い、という推論は容易にできます。シンプルに考えるなら、40代の一人暮らしが多いのは結果に過ぎず、40代の一人暮らしを減らしたところでその原因を特定しないことにはなんの解決にもなりません。

まとめ

因果関係は人間が読みとくべきという言葉をよく噛みしめてほしい。